農薬について今思うこと

岡本畑は元々田んぼだったところをそのまま畑に変えて、使っています。
当然、まわりには田んぼがあります。非耕作地や調整水田で作っていないところも
多いですが、少数の頑張ってる方が沢山の量を抱えながらやっています。
まあ、これは山口に限ったことではなく、全国どこもそうだと思います。
 
そして、やっている方の多ほとんどは60歳以上(もっと上か?)で数年後のことを
思うと心配でなりません。(このことはまた今度書きます)
 
今日家の周りの田んぼを管理されている方から、今年の防除(農薬をまくこと)は
JAに頼んで、ヘリコプターでやろうと思うんだけど、いいかな? と聞かれました。
こころの中では使って欲しくないですが、即答でいいです。と答えました。
ただ、あぜを隔てた田んぼは手でまき、量も最小限にするとのことで安心しました。
 
意外と思われるかもしれませんが、近隣の田んぼの方が農薬を使うことはどうしようも
ないと思っています。農業するまでは絶対反対でしたが、初めてからは諦めるようになりました。
 
慣行の農法で農薬を使わないことは、即減収に繋がります。きっと虫がついたり、病気になって
たいした収量にならないです。それでも売れたらいいのかもしれませんが、そんな米が売れるわけが
ありませんよね。誰しも売れない作物を作る人はいません。
じゃあ、努力して無農薬にすればいいじゃない、と思うと思いますが、勉強して、努力をして、販売先も
自分で確保してと普通じゃありえないほど大変になります。
その大変さを知って初めて、農薬・化学肥料・除草剤が何たるかをしりました。
 
じゃあ岡本畑ではなぜ使わないかと言うと、「やだからです」
えっと思うかもしれませんが、嫌なことはしたくないんです。大変な草取りも畑作りも、虫取りも、水やりも
嫌ではないからできるんです。(だって野菜が喜んでくれるから)
オーガニックがいい、環境にいい、そういったこともありますが、あくまで後付みたいなものです。
農薬・化学肥料・除草剤を使って嫌な思いになるなら、大変だけど、気持ちのいいことを選びます。
嫌なことはずっとはできないです。一生の仕事にするなら嫌なことはしないと決めただけのことなのです。
農薬・化学肥料・除草剤を使わないことは、ポリシーとか偉そうに宣言することではなく、ただ自分の気持ち
でしていることなんです。
 
そして、あえて言うことではないかもしれませんが、そうやって周りで農薬まく(多分2,3回)ということは、
少なからず岡本畑にもドリフト(風で飛んでくる)します。つまりいくら農薬使ってませんって言おうが、
0(ゼロ)ではありません。そして少なからず使っている用水路の水も色々な田んぼを経由しているので、
化学肥料成分を含んでいます。
そうです、完全な無農薬・無化学肥料ではないのです。
 
でも考えてみて下さい。この狭い日本でこの二つの影響を全く受けない畑なんてどれくらいあるでしょうか?
山奥で作らない限り無理です。でも世の中を見てみると、無農薬・無化学肥料だから安心とか安心安全な
野菜とか良く見かけます。そういうのを見ると、「そんなのないでしょ」とつい思ってしまいます。
 
一時期はこのことを思って、自分ひとりがやっていたって意味あるんだろうかと、考えました。
でも今は、そんなことない、自分がやることで、もし誰か一人がそれっていいねとなったら、意味あるはずだ。
そう思っています。
声高に反対!というのではなく、自分が行動で、できた野菜で、その良さを伝えでいこうと思っています。
 
今日田を管理されているの方は、「お隣の田はできるだけ使わないからね。その稲わらを使ってね」と言ってくれました。
なるべく使いたくないという気持ちは絶対に持っているはずです。だから、対決するのはやめよう。農薬を使うことを
批判するのはやめよう。
もしかしたら、来年はもうちょっと変わるかもしれないから。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。長々とだらだらと書いてしまいました。